クレオパトラは爪をオレンジに染めていた?人類最古の「最初の美容」とヘナの不思議な歴史
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「ヘナ」といえば、多くの方が「白髪を染めるための植物」というイメージをお持ちではないでしょうか。
しかし、その歴史の糸をぐーっと数千年前まで手繰り寄せていくと、実は私たちの想像をはるかに超える、美しくも不思議な「最初の美容」の物語に辿り着きます。
今回は、あの世界三大美女の一人、エジプトの女王クレオパトラも愛したという、ヘナの知られざる歴史のお話です。徒然なるままに、歴史のロマンに思いを馳せてみてください。
人類最古のヘナの使い方は「髪」ではなかった?
ヘナと人類の付き合いは非常に古く、紀元前3000年以上前の古代エジプトの時代にまで遡ります。驚くべきことに、当時の最初の使い方は、髪を染めることではありませんでした。
最初の目的は、なんと「爪を染めること(ネイル)」、そして皮膚に魔除けの模様を描く「ボディーアート」だったのです。
古代エジプトの女王クレオパトラも、自らの手の爪、足の爪をヘナの葉で鮮やかなオレンジ色に染めていたと伝えられています。
なぜ、爪を染める必要があったのでしょうか?そこには、当時の「美」と「権力」の象徴が隠されていました。
爪がオレンジであることは「高貴さ」の証
古代エジプトにおいて、爪が美しい赤やオレンジ色に染まっていることは、単なるおしゃれではありませんでした。それは、「私は泥にまみれて肉体労働をする必要がない、高貴な身分である」という圧倒的なステータスシンボルだったのです。
さらに、指先を太陽のようなオレンジに染めることは、邪悪なものから身を守る「魔除け(お守り)」としての神聖な儀式でもありました。
実は、この歴史的な事実は「現代の科学」によっても証明されています。エジプトから発掘された数千年前のミイラを調査したところ、指先や爪、そして髪の毛にヘナの着色成分がしっかりと残った状態のミイラが多数発見されているのです。
数千年の時を超えてなお、その色が残り続けている。植物が持つ生命力と着色力の強さには、ただただ驚かされるばかりです。
【ここが「へぇー!」なポイント】
髪だけではなく、爪まで染めていたというヘナ。植物の成分「ローソン(Lawsone)」が、髪のケラチン(タンパク質)に絡みついて染まるのと同じ原理で、タンパク質でできている爪も綺麗に染まるのです。これが、人類最古のネイルの始まりでした。
時代は変わっても、私たちが求める「自分らしさ」の原点
やがてヘナは、爪から髪へと塗る範囲が広がり、髪を美しく健やかに保つための「トリートメント・染毛料」として世界中へ広がっていきました。
クレオパトラが暮らした灼熱のエジプトにおいて、ヘナは強い日差しから髪と頭皮を守るための貴重な「天然のベール」でもあったのです。
以前のコラムでご紹介した平安時代の武将・斎藤実盛の「墨を使った髪染め」もそうですが、人類ははるか昔から、「自分を美しく整えたい」「若々しく、自分らしくありたい」という願いを、自然の恵みを借りて表現してきました。
現代の白髪染めは、早く手軽に染めるための「化学染料」が主流ですが、繰り返し染めるうちに、髪や頭皮への負担、そして心のどこかで「もっと自分を労わりたい」という気持ちを抱く方が増えています。
そんな大人の女性たちが、歴史を経て辿り着くのが「ヘナ」という選択肢です。隠すためだけの染毛から、髪と地肌本来の健康を引き出し、本来の健やかさに「若返る」ための時間へ。
クレオパトラが指先を染めてホッとしていた数千年前のように、あなたもヘナの香りに包まれて、自分を慈しむ丁寧な時間を過ごしてみませんか?