「オーガニックヘナ」という言葉が使えなくなってきた裏側

「オーガニックヘナ」という言葉が使えなくなってきた裏側

最近、「オーガニックヘナ」という表現が使いにくくなってきた。

なんとなく感じている人もいると思う。

これ、業界の都合じゃなくて、ちゃんとした理由がある。

そもそもヘナのオーガニックって何だったの?

ヘナはほぼ全量がインド産だ。インドには世界最大規模のオーガニック農家がいて、「NPOP」というインド独自のオーガニック認証がある。これがEUや各国に「同等のもの」として認められてきた。だから「インド産オーガニック認証=信頼できる」という流れで、ヘナも「オーガニック」と名乗れてきた。

ところが、その前提がここ数年でガタガタと崩れてきた。

何が起きたか、3つの事実

①アメリカが認定を取り消した(2021年)

インドの認証機関がUSDAの基準を守っていないことが発覚。米国は「インド側の認定でうちのオーガニック認証を出していい」という15年来の協定を打ち切った。

②EUがインドの認証機関5社を除外(2022年)

インド産オーガニックのスパイス・ハーブ類から殺虫剤(エチレンオキシド)が検出された。倉庫管理の問題だったが、EUはインドの認証機関5社を「EU向けオーガニック認証を出せる機関」から外した。

③EUが2025年から「完全準拠」を要求

これまでは「基準が似ていればOK(同等性)」だった。それが「EUの基準に完全一致していないとダメ(準拠)」に変わった。ハードルが一段上がった。

つまりどういうことか

インドのオーガニック認証が「本当に信頼できるのか」という疑問が、アメリカにもEUにも突きつけられた。農薬が出てくる、書類が怪しい、倉庫が汚染される。それが積み重なって「インド産=オーガニック認証あり=安心」という前提が崩れた。

ヘナは植物だ。でも「植物=安全」「認証あり=オーガニック」は、もうイコールじゃない。

正直に言う。認証を100%鵜呑みにはできない。

これ、小さな声でしか言えないんだけど、日本でも一緒だ。

私たちは自然食品店からスタートしている。だから認証というものの限界を、肌でわかっている。

特に、オーガニック栽培と減農薬栽培を両方やっている農家さんとは、正直お取引ができない。炒めても、食べても、見ただけではわからない。そして「ちょっと間違えた」と言えば、それだけで1本あたり30円ほど高く売れてしまう現実がある。

だから私たちは、農薬を一切使わない農家さんからしか仕入れをしない。これは譲れない。

話をヘナに戻す。

ひとつ豆知識を。そもそもインドでは、ヘナの栽培に農薬をほとんど使わないのが普通だ。ヘナという植物自体、病害虫に強い。「オーガニックヘナ」はある意味、当たり前のことを言っているにすぎない。

それよりも本当に怖いのは、知らないうちにヘナ以外のものが混ぜられてしまうリスクだ。農薬云々の前に、「純粋なヘナかどうか」を問うべきなのだ。

インドの方とお付き合いする場合、私が一番大事にしているのは「家族ぐるみでお付き合いができるか」というポイントだ。勝手な見解かもしれない。でもこれ、結構重要だと思っている。

認証は入り口にすぎない。結局のところ、その人が信頼できるかどうかにかかってくる。

では、私たちのヘナは大丈夫なの?

そういう声も聞こえる。正直な疑問だと思う。

しつこいようだが、書類や認証だけでは埋められないものがある。

本国の方と個人的なお付き合いがあるか。現地に毎年足を運び、コミュニケーションをとっているか。その中でどのようなチェックをしているか。知識も経験も必要だ。

最終的には、そういうところで本物を見つけていくしかない。

こんなことを書くと叱られそうだけど、これが正直なところだ。

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